星より遠く

外干し

いつも感じるのだが、焼く前の器が一番いとおしい
土そのものがむき出しになっているからなのか
手の跡がしっかり残っているからなのか
あるいは、どんなものに化けるのか分らないという無限の可能性(期待)を宿しているからなのか




さて、今度の作りの狙いは再現だ

というのも、どうしても再現できない藁灰釉の釉調があるからだ
あまりにいいのでご飯茶碗に使って毎日眺めているのだが
なんとかもう一度作りたい

すでに何度も試しているのだがいづれも結果は不可

今回ちょっと土を変えてみた
用意したのは三種類

焼きのパターンはそれほどない

もしかすると窯神のきまぐれでたまたまいい釉調が出たのかも知れない
その場合は再現は限りなく不能に近い

祈るしかない




良い悪いは別にして、土合わせはその場で思いついた土を合わせる
時にはほんのちょっとだけなにかを添加することもある

問題はそれを完全に記憶していないという点だ
自分の記憶力のなさは十分自覚しているので作業メモに逐一書いているのだが、稀に(特に、興が乗ったとき)書き漏らすことがある

これまでの経験で、皮肉なことに、そういうときに限っていいものが出来る
そして、歯ぎしりする

ま、自業自得だけれど

でも、そういうのは窯神さまの贈り物としてありがたく戴くのが一番なのかも知れない





もっとも美しい器は人のワザをできる限り隠したものだ
それは陶工の造作でありながら、陶工からもっとも遠いところにある
まさにMarina(T.S.Eliot)で


Given or lent? more distant than stars and nearer than the eye
賜わり物、それとも、借り物? 星より遠く、眼よりも近く
と言われている《そのもの》だ

ワザがあまりに表立ったものはきれい(華麗)かも知れないが美ではない
自分のものと声高に主張できるかも知れないが、放てば足元に落ちるだけだ

∴夜中に外で足音が・・・
〇泥棒?
∴いや、たぶんイノシシ
〇あんまり家の廻りを掘るから、掘りそうなところを板で蔽ったせいで足音がよく聞こえるんだね



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