生兵法は大怪我の元

化粧土を掛けるために一週間乾燥させて、師匠のところへ持参したら、化粧するには生乾きの方が安全と言われてしまった。好い加減な情報を鵜呑みにしたのがいけなかった。調べてみると、化粧土の調合で生乾き用、完全乾燥用、素焼き用と分れるようだ。ひやひやしながら化粧したが、幸い今日の段階ではめくれはないようだ。小皿だったのが幸いしたのかも知れない。やれやれ。この皿は鶴屋南北調狙いなので、つぎは、釉薬の選択が課題だ。

今日はさらに灰泥土に黄瀬戸釉をかけた沓茶碗が焼けてきたが、これがまた大失敗だ。前は釉薬のかき混ぜが不充分だったために狙っていた深い色がでなかった反省から、十二分にかき混ぜて施釉した。ところが、今度はかき混ぜすぎた。釉が濃すぎて濃淡の変化がなくなりベタになった。我ながらこれには意気消沈だ。沓茶碗の形はまずまずの出来だっただけにがっくりである。日本海溝に沈没した。

いいこともあった。ぐい呑がいい形になってきたと褒められたのだ。これで有頂天になり、やっと日本海溝から海岸まで昇ってこられた。それでも今日の成果は引き算の方が大きいか……。