初めてで最後の鍋
訓練校同期生が五人集って鍋になった。はじめから鍋の話があったわけではない。実は訓練校時代お世話になったBamboo先生のお宅にお邪魔して有益な技術情報をいろいろ伺ったあと、さて、鍋でもやろうかという流れになったのだ。
囲んだ鍋は言わずと知れたピェンロー(扁炉)、白菜鍋だ。この鍋は妹尾河童氏が本に書いているのを読んでものは試しとはじめてすぐにやみつきになった寒い日の定番だ。特にひとが集る日にはうってつけの料理だ。第一に手間が掛らない。第二に材料費が安上がりだ。そして最後だが、もっとも肝心な理由、話が弾む。
塩を6種類用意してわいわいわいと味の交響詩を楽しみつつ、陶芸の話に花を咲かせた。ああ、同期というのはありがたいものだとつくづく感じた。
だが、リシピーを読みかえしてみて気付いたのだが、何度もやっているせいかうっかりして、一味唐辛子を使うのを忘れていた。でも、なしでもまったく問題なかったように思う。
白菜が安く出回る頃になるといつもピェンローを思う。これからはピェンローを囲むと今夜のことを思い出すことだろう。さらば仲間よ、また会う日まで。