さんざんな宇都宮

宇都宮と言えば「餃子」。そうである、宇都宮は餃子の町である。近い割に意外に行ったことがなかった町、宇都宮。たまたま栃木県立美術館濱田庄司展をやっていることを知ったので餃子と陶芸のふたまたをかけて出掛けてみた。
いけなかったのは朝飯をしっかり食べていなかったことだ。着いたのが1時少し前。まず餃子と言えば△ん△んだという情報をネットで入手したので行ってみる。結構並んでいるではないか。期待感高まる。これだけ並ぶ価値のある店なのだ、さすが餃子の町の餃子の店である。
列の長さに比べ待ち時間は短かった。30分ほどで順番になった。
メニューを見る。焼餃子240円、揚餃子240円、水餃子240円、ライス100円。以上。単純なことこの上ない。
隣のカップルの栃木なまりの青年が無口な女性に向ってしきりに餃子の美味しさを褒めたたえている。これがあればビールが何杯でも飲めるね!それって口説いてるの?
ほどなくして餃子、登場!
ん?
見た目が思いのほか貧弱……。もたげかかった疑心暗鬼をぐっと抑えて、食べる。
ん?
あれ?う〜ん、確かに餃子には違いないが……どこにも取り柄が発見できない。野菜もすかすか、肉も、何もすかすか……。無色透明、蒸留水。
参った!でも、240円だから、と自分を慰めて店を出る。
かくして餃子の王国は一瞬にして餃子の貧乏国に脱落したのであった。
感動すればともかく、あの餃子ひと皿とご飯だけでは腹一杯心一杯になるはずもなく、美術館へ向う。
ここでまたしても裏切られようとは夢にも思わず。
いやしくも県立美術館である。それなのに駐車場への入口が分らないこと甚だしい。通りすぎざま気付いてUターン。もしや裏口から入ったかと思うほどの狭さである。ガードレールの隙間をぬって駐車場へ。
あとはもう語ることはないなあ。
偉大な民芸運動の旗手の作品も130点見つづけていると、申し訳ないが、いろいろな意味でおしゃべりが多く、また、重たすぎて疲れはてた。
参考作品として展示されていた漆芸家、木工家の黒田辰秋の赤楽茶碗が造形の点でも作行の上でもおおらかで、かつ、静謐で、いちばん心地よかったのは皮肉なことだ。
帰路、佐野でもう一度餃子を食べて口直ししたことは言うまでもない。



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