仕込み二日目
照明を取付ける知識のない私たちはただ茫然と作業を見守るしかない。ときに何かを手渡すくらいなこともできるが、それが限界である。
からだを動かさない分、限りなく寒い。
私はもしかすると昨日の寒さで風邪を引きかけているのかも知れない。今日は一日変だった。軽い閃輝暗点も起った。改源を飲んで寝よう!
この酒蔵の壁にはこうじ菌がついて酒作りに活躍した時代もあったのだろう。この壁をめくったらどんな世界が現れるのだろう。いや、壁ではなく、壁の手前にある空気の壁をめくったら、この世の構造とはまったく別種な世界が現れるのではあるまいか。今日はそんなとりとめもないことを考えていた。
今夜は冷え込むらしい。そんな夜更けの決意……明日はねぎとろを買ってきてご飯に乗せて食べるぞ〜。