今日のシェイクスピアは『ソネット集』

シェイクスピア
おそらく世界中の誰もが知っている名前だ。だが、シェイクスピアとは誰だろう?この問に答えられるひとは今までひとりもいなかったし、残念ながらこれからもいないだろう。それだけではない。シェイクスピアの作品も謎だらけだ。そうなのだ、シェイクスピアは謎なのだ。世界の七不思議をはじめ多くの謎がひとを惹きつけてやまないように、シェイクスピアがこれほどまでに私たちを魅了するのはシェイクスピアを包む謎なのだ。
謎を前にするとひとは謎を解こうとする。では、154編に及ぶソネット(14行詩)にまつわる謎はどうだろう。出版された『ソネット集』(注)には次のような献呈辞が添えられている。

TO THE ONLY BEGETTER OF
THESE INSUING SONNETS
MR. W. H.
(このソネット集の唯一の産みの親であるW.H.氏に捧ぐ)

W.H.氏とは誰だろう?オスカー・ワイルドはこの人物を劇団の少年役者ウィリー・ヒューズと解いてみた。その謎解きは歴史的な裏づけを欠いてはいるものの、舞台という不思議な扉を通って現実と作品のあいだを行ったり来たりしていたシェイクスピアにとって何がいちばん魅力的に見えたのかを教えてくれる、という点ですぐれている。
手はじめにこの詩集でもっとも有名な18番のソネットを読んでみよう。するとほのかに浮かび上がって来る姿絵がある。

Shall I compare thee to a summer's day?
Thou art more lovely and more temperate:
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer's lease hath all too short a date:
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimmed,
And every fair from fair sometime declines,
By chance, or nature's changing course untrimmed:
But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow'st,
Nor shall death brag thou wand'rest in his shade,
When in eternal lines to time thou grow'st,
  So long as men can breathe or eyes can see,
  So long lives this, and this gives life to thee.

君を夏の日にたとえようか。
いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ。
荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、
なによりも夏はあまりにあっけなく去っていく。
時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、
かと思うとその黄金の顔はしばしば曇る。
どんなに美しいものもいつかその美をはぎ取られるのが宿命、
偶然によるか、自然の摂理によるかの違いはあっても。
でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない、
もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ、
まして死神に君がその影の中でさまよっているなんて自慢話をさせてたまるか、
永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。
 ひとが息をし、目がものを見るかぎり、
 この詩は生き、君にいのちを与えつづける。





長くなるのでつづきは⇒シェイクスピア全作品解説
覚えておきたいシェイクスピアのことば⇒ジャンル別シェイクスピアの名台詞集



窯出し
平成最後の日に窯焚きして令和最初の日に窯出しした
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皮鯨立ち湯呑
お気に入りの湯呑
いくつ作ったか分らないほど作っている


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黒釉立ち湯呑
ストロボのせいでかなり赤く見えるが実物はそれほどではない



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