土作り

いつも工房が太陽光で暖かくなってから作業を始める。幸せなことに日中は暖房不要なほど暖かい。
今日の仕事は乾燥したクデ土をつぶして粘土に戻す作業。新しい土作りを予定していたがクデ土の処理に思ったより時間がかかり明日にする。クデとは言え、使っている粘土は萩土(大道土)がほとんどだから無駄にするのはもったいない。ケチではなくエコ、と誰かが言っていた。土は焼きさえしなければ何度でも使えるから究極のエコである。ただ、焼いた試験品や失敗作が置場に困るほど増えているからあんまりエコとは言えないか……。
棚板の補修も積み残しになった。
録画したドラマ「フェイク」を見た。なかなか面白い。時間が短いので急ぎ足の感もあるが、骨董の世界の出来事なので血みどろのサスペンスより見ごたえがある。中に出てきた伊藤若沖(正しくはにすいに中なのだが、パソコンで出ないので「沖」にしてある)の名前の由来を調べると


大成若缺。其用不弊。大盈若冲。其用不窮。大直若屈。大巧若拙
(大成は欠けたるがごとく、その用やぶれず。たいえいはむなしきがごとく、その用きわまらず。たいちょくは屈するがごとく、たいこうはせつなるがごとし。)

鈴木大拙も同じ詩句(最後の大巧若拙)から名前を付けているらしい。

自分で付けたのかどうか不明なので何とも言えないが、考えようによっては自信過剰が透けて見える気もしないではない。
ドラマでは若沖の名前に関するもうひとつの説


良賈は深く蔵して虚しきが如し
(すぐれた商人は品物を奥深くしまっておき、一見すると手持ちがないように見える)
を挙げ登場人物の心の動きを重ねて見せたところがニクイと思った。
最近は明示の文化が跋扈しているから、暗示の陰が新鮮に映った。




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