窯焚き週間
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つばめが窯場に巣作りのための偵察に来ている
あまり環境はよくないかも知れないけれど
作ってくれたらうれしい
ろくろなしでもあと3窯分は作り置きがあるので、今日からは二日ごとの窯焚きになる。
焼成は不思議に満ちている。分らないことだらけだ。うまくいったり失敗したりの繰り返し……うまくいった窯を再現しようとしても大抵はみじめな結果になる。窯焚きは一期一会。ひと窯ひと窯が試験窯であり、出会い窯だ。最初で、最後の窯だ。
若い陶芸家が同じ物が何度でも焼けない陶芸家はプロとは言えない、と公言していたが、彼は電気窯で焼いていた。そういう方向があってもよい。でも、私の生き方ではないな、と思う。私は火之神の召使でいたい。きまぐれはきまぐれで受け入れよう。もちろん、ただ僥倖を待つのではない。できうる限りの結果を念じて窯に向う。
画餅充飢。今はこのことばが気になって仕方ない。やきものは絵に描いた餅だ。絵に描いた餅こそ腹を満たすのだ。