の・ようなもの
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猛烈な残暑
真夏よりつらいのはなぜだろう
今週の目標は群読つき小舞の振付だ。
昨日は4人勢揃いの小舞を振り付けた。一応できたものの役者は落着かないという。群読とぴたり合わない部分がある。この辺が肝要なところで舞台が輝くかどうかが決まるため、おろそかにできない。キメの舞は、役者が悦に入るような所作でないと空気がどんより曇空になってしまう。
台詞を書いていたとき、私の頭に響いていたのは誰の声でもない非在の声だ。だが、稽古になるとこの役者、あの役者の肉声で演じることになる。その落差が悩ましい。非在と存在のあいだにはある無限の距離を痛感させられる時間帯だ。
もう少しすると非在の声は跡形もなく消え失せ、肉声だけが作品の土着の声になる。
稽古はそういう田植のようなものである。