不思議な光
ゆうべ休もうとするとふわーりふわりと小さな光が舞っている。
蛍だ。山房の裏庭へ迷い込んだらしい。しばらくすると窯場に現れた。たった一匹である。
よく虫が入り込んで出られなくなるので、虫取り網で出してやろうとすると、センサーライトが点いてしまい、その灯りのおかげか蛍はいなくなった。外へ出られたのだろう。
かよわくはかなげな光にひとは魅せられる。不思議な感覚がある。ひとの魂のような気がしないでもない。
たましひのたとへば秋のほたるかな(蛇笏)
すぐ近くの山中に湧き水がある。かつては近隣の飲み水となっていたらしい。もしかするとそこに蛍の群が生息しているのかも知れない。これまでそんなことは思いもしなかったので夜中訪れたことがなかったが、ちょっと覗いてみたい気持になった。
そのおかげかゆうべはぐっすり眠れた。多謝。