菓子鉢




薄曇り
寒いが
髪を切る

三連休は朗読公演のための稽古。
さて、今日は菓子鉢制作に向けてあぶり(350度予定)に入る。

冬泉響は秋冬は芝居(といっても、いわゆる筋はなく、役柄もない。動きと響きのパフォーマンスだが)のために稽古しているが、春は朗読の季節だ。最初の公演は夏目漱石の「夢十夜」だった。朗読は一人で読む分にはさして問題ないのだが、群読となるとまずアクセントの統一に時間を費やす。アクセント辞典を引きながらああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返す。

出身地は群馬が多いが東京のものもいる、転勤族の家族もいる、というわけで統一見解に達することはまずない。

一番おかしなアクセント感覚の持主は私だ。どういうわけでそうなったのかは我ながら不明だ。経歴は群馬出身、東京暮らしが16年なので、基本的には関東アクセントのはずなのだが、群馬でも東京でもない変なアクセントを身に付けている。だからアクセント辞典を見て愕然とすることしばしである。

アクセントと言えば面白い経験がある。埼玉の大学に勤めていた時のことである。当時私は助手だった。学部主催の講演会があり、事務局に花を飾るための花瓶を貸してもらいに行った。

すみません、かびん(低高高)貸して下さい。

そう言うと、女性の事務局員が

えっ?

と応じた。

かびん(低高高)です。

また、えっ?

と言われると、あれ?なんで通じないのだろう?と変な気分になって来た。

あの、花を活けたいので

と言うと

ああ、かびん(高低低)ですか。

と言って花瓶を持ってきてくれた。

その瞬間、ああ、自分ももともとは「かびん(高低低)」と発音していたことに気付いた。東京の大学に進学した時、みんなから群馬のアクセントがおかしいと笑われたため(特に「いちご」とか「一回」とか最初に高いアクセントが来るもの)、東京ことばを身に付けようと努力した結果であった。

これは良い悪いの問題ではない。住んでいる、あるいは、育った場所によるのだ。

だから、聴き手がどこに住んでいるかも大事だ。基本的にはNHKのアクセント辞典を参考にしているが、そのままで押し通すとアンケートに「おかしなアクセントがあって気になった」と書かれることがある。

だから群読での朗読稽古は波瀾万丈である。


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