へなへなウイルス

どうやら水天需工房のロクロか私の手が奇妙なウイルスに感染したようだ。
いや、その感染は今に始まったことではないのかも知れない。
切立湯呑の丈を2cm上げたら全然引上がなくなった。11cmの壁だ。9cmと同じ厚みで引上げようとしていることに無理があるのかも知れないが、とにかく窯のない今はいろいろ試すいい機会なのでやるだけやってみようと思う。11cmのつぎは13cmの壁が一ノ倉沢のごとくそびえ立っている。まだまだ未熟なん窯の五郎である。
図書館で借りた「日本の名陶十撰 茶碗」(毎日新聞社)をじっくり見る。
すべて実寸大で印刷されているので大いに参考になる。
味わいはすべてゆがみ、ひょうげ、ゆらぎ、などの逸脱にある。欠けの美とも言える。それが完全無欠な西洋の陶器との決定的な差異だ。
重さも記録されている。国宝卯花墻は496g。写真で見るだけで持ったことなどないから実感がなかったが、意外に重いのだ。志野茶碗箸姫に至っては659gもある。
茶碗の重さは作り手それぞれに主張がある。私はややずしりとした手取りが理想だが、片や軽ければ軽いほどいいという人もある。手に取る器は、花器などの置物と違って、ちょっとした重さの違いで感じが変ってしまう繊細な要素を含んでいる。それに色が作り出す錯覚も加わるから自分流の茶碗を生み出すには紆余曲折が待ち受けている。早く自分の窯でそんな紆余曲折を遍歴したいものだ。

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