さきほど鎮火

今回は思い切って強く還元を掛けてみた。
約1110度の段階で窯の横穴からはもちろん、扉の上部の吹き出し穴、中央の色見穴、下部のつや見穴、すべての穴から炎が吹き出している。

上は吹き出し穴からの炎の写真。

まだ灯油窯になれない頃、還元を強くしすぎたためバーナーにススが溜り、そのため灯油がバーナーから漏れだし、それに引火するという事故が二度ほど起きた。今回もその時と似た感じの強還元だったが、油量を少ししぼっていたので漏れ出したり引火したりすることはなかった。ちょっとだけ窯に馴れてきたか……いやいや、油断は禁物である。

私の窯は0.35立米の窯だ。窯の大きさに比べバーナーが4本付いているので火力が大きい。だからそれほど油量を上げなくても窯の温度はいい感じに上がってくれる。ただ、だからと言って油をケチると器に与える総熱量が不足して焼きが甘くなってしまう危険がある。

だが、今回は短時間焼成なので熱量の積分を考えなければならない。前回は徐冷を試してみたが、徐冷の場合は油量を相当しぼっても熱量の積分はかなりなものになるので解けにくい灰単味の釉も毛好融けていた。かといって油量を上げすぎると危険が伴う。その辺を考えながら油量を調整してみた。

はてさて、どんな結果になることやら。こればかりは、何度やってもまったく分らない。火の神のみぞ知るである。