警戒警報

気分転換に工房の模様替えをする。元来雑多な人間なので工房も雑然としている。ちょっとだけ片づいて広くなった(かな?)。

だが、原土置場はどんなにあっても足らない。どんどん処理して、試験して、使うか捨てるか決めて行けばよいのだが、そうそうテキパキとは進まない。

あれこれ悩みながら作業をしていると突然、キジが聞いたことのない叫び声を挙げた。もともとすっとんきょうな声ではあるが、なにやら必死な形相が思い浮かぶような調子だった。外へ出てみると野良猫が巣のあたりをうろついている。オスは叫びつづけている。反対側を見るとメスが逃げ回っている。

こらっと叫ぶと猫の動きが止った。じっとこっちを見ている。石を投げてやったが、遠すぎて届かない。というか、まだ完治していない50肩のせいで思いきり遠投できないのだ。もう少し近づいてから、また石を投げる。今度は猫の近くに落ちた。あわてふためいて逃げていった。

一応は治まったようだ。その後、キジのつがいが(もう一羽のメスは見当たらない。やはり逃げられたか?)ゆったりといつもの場所で餌を啄んでいた。だが、野良猫にやすやすとねらわれるような場所に巣を作るなんてツメのあまり奴だなあ……まるで私のようではないか。ますますキジ君に親しみを感じた昼下がりの出来事であった。