2015-01-01から1年間の記事一覧

日の出

東に森があるものだから、わが家の朝は遅い。とりわけ寒さに向うこれからの季節は遅い。なにより日の光が恋しいのに…… 今8時、ようやく森の木々のてっぺんに太陽が顔を出し始めた。山房が陽に包まれるのはまだ先だ。井戸盃の天日干しも大分進んだのでそろそ…

井戸盃作り

試験用の器がなくなったので井戸盃を作る。実際には井戸盃で成果を得ても、大井戸でうまく行くとは限らないのだがそうも言っていられない。しかし、今以て私には井戸のわびさびが会得できない。柿の蔕のさびは分るが、井戸はどちらかというと華やかで豪壮な…

井戸試験

相変わらず試験の日々だ。井戸釉、あれこれ試している。そのうちに尻尾が見つかるだろう。 ∴ 秋色いよいよ深くなってきた いつもおつき合い下さりありがとうございます。応援よろしくm(_ _)m 画像をクリックしてランキングサイトが表示されれば投票終了 + …

音階と音色

茶盌のなかには音階と音色が眠っている。音階は整然と並んだり、錯綜したりして諧調を紡ぎだす。だれもがそれをはっきりと掴まえることができる愉快なすがた形の運動だ。やっかいなのは音色だ。ソノリテ、あるいは、声の肌理は形容詞でなぞらえるしかない捉…

なにもしない

今日一日ほっこりぐだぐだとすごす。 空気がゆるんで見えない景色が見えてくる。 井戸の向うになにがある 井戸の向うに森がある かすかにけぶる森がある 井戸の向うに町がある ひとでにぎはふ町がある かと思うと見えるものが見えなくなって玄関のガラス戸に…

試行錯誤

井戸釉がなかなか決まらない。今使っているのでも悪くはないのだが釉調が今ひとつ気に入らない。 ひたすら試験試験の連続だ。 ま、こうやって一年二年とやってゆくうちに何かが見つかるだろう。しかし、井戸と一口に言っても伝来物だけでもかなりの数になる…

大井戸、一歩前進

今回はいい感じで枇杷色が出た。釉調はまだ工夫が必要。釉の濃度、施釉法で千変万化するのであれこれ試してみよう。 この土は畳付きの緋色がきれいに出るところが好きだ。 ちょっとばかりざらつきすぎるきらいがあるが、あまりいじると牛を殺しかねない。し…

鬼の化粧

う〜む、化粧が濃すぎたか。 それに見込や胴にまで梅花皮が及んでしまっている。これを何とかせねば・・・ ちょっとだけ光明が見えたような見えないような。作麼生! ∴風性常住無処不周生 風はいたるところにわき起こるものだただ・・・ いつもおつき合い下さりあ…

化粧してみたものの

化粧土が削りあとを埋めてしまい梅花皮が出ない。もうひと工夫必要だ。大井戸その1 大井戸その2 でもそれはあまり大した問題ではない。 もっと大きな問題が山のように横たわっている。倩女離魂のように …… あれかこれか、では決して解けない問題。 ∴プラト…

写し問題

前回の失敗を承けて、施釉法、焼成を修正。さて、どうなるか。窯焚きは雨の中。しばらく晴天がつづいたが、ひさしぶりの雨。あるひとが古陶の写しは創造力の枯渇、滅びの前兆、とブログで嘆いていた。 ふふふ。まだそんなところでうろうろしているのか。倩女…

方向違いだったか

施釉方法を変えてみたがあえなく撃沈。 焼きもちょっと悪かったかな?枇杷色からはほど遠いものになってしまったし、井戸の風が吹いてこない。 それに薄めの釉にしたため梅花皮も出ずじまい。 むしろ、井戸盃(かまわぬ盃)の方が面白かったかな…… ∴兎角(う…

窯焚きのあいまに

スーパーで買う食べ物にはいろいろな添加物が入っている。 子供のためにせめてパンは自家製にしよう!と決心(私というよりかあちゃんが)。 あれから三十日……(きみまろのノリで)、二日か三日に一度はパンを焼いている。今日は途中で私も参加。うさぎパン…

馬肥ゆる

外干し日和。 ひさしぶりに工房の整理整頓。 ∴ 空気が濃い秋 馬ばかりか私のハラも肥ゆる秋である いつもおつき合い下さりありがとうございます。応援よろしくm(_ _)m 画像をクリックしてランキングサイトが表示されれば投票終了 + にほんブログ村

削り〜余白

書の達人は余白を感じて書く。私はまだまだ文字に気を配るのが精一杯。黒ばかりで、白は見えてこない。 十牛図で言えば牛ばかりが気になる。人牛具忘は先の先。茶盌作りも余白が声を出す。ふたつの余白。茶盌を包みこむ世界すべて。そしてもうひとつが、茶盌…

井戸を干す

昨日一日外干し。今日は出掛ける用事があったので窓際で干す。 戻ってから計ってみると3gほど増えていた。それだけ湿気を吸ったということ。 土は呼吸をしているんだなと実感した。 明日明後日は再び風のくぼみ作り! ∴ 今日はわが家の三人全員にとって人生…

風のくぼみ

大井戸焼成に向けて準備する。前回の窯は井戸の姿が満足のゆくものではなかったので、今回は問題点を修正した。 土は取りあえずこれまでの土を使う。目標は焼き上がった姿の確認だ。井戸は「風のくぼみ」でなければならない。そこへと風が収まり、そこから風…

探しものは何ですか?

探し求めている珈琲豆がある。 以前に飲んだことのある珈琲。あの味と香りが忘れられない。いろいろ試しているのだが、見つからない。嗅覚、味覚をことばであらわすのはほとんど不可能に近い。 その味は酔うような芳醇な香りと味わい……としか言いようがない…

天衣無縫

地元の超ローカル紙に載った4歳児の「の」字にやられた。 こののびやかさはどうだろう!まるで洒脱の域に達した老僧の書のようである。 きれいに書こうとか、整ったかたちにしようとか、の余計なはからいはみじんもない。 それでいて力強い。気韻風爽。 井戸…

井戸生育録

この間の窯焚きで一番よくできたと思う茶盌でお茶を点てる。 どんな風に育って行くのか観察する予定だ。 育つ前はこんな感じ。 口径147mm 丈90mm どれくらい使ったら変化するのだろうか? 取りあえずしばらく使ってみよう。伝来の井戸って窯出し直後はどんな…

窯出し備忘録

前回の生焼けの反省から火口には細工せずに素直な焼き方でやってみた。 が 今度は面白味のない出来になった。 振り返ってみると前回の方がずっとよい。もう少しだけ火が入っていればよいのだ。次回はあの焼き方でねらしを少し長目に取ってみるか……というか、…

窯出し備忘録

火口に少し細工したら窯の上段に炎が通らなかったとみえ、生焼けになった。対照的に根に置いたのが一番焼けていた。最上段から順に並べる。◆井戸その1 うしろ側だったので一番生焼けだった。これ位の生焼けでも梅花皮は生まれ始めている。 ◆井戸その2 同じ…

群馬は古墳の宝庫だ。車で20分のところにある大室古墳公園へ出掛ける。 なづ菜にとっては(私にとっても?)格好の運動場だ。 小山の頂上を征服!? 巨石のモニュメントが珍しいらしい。 お昼は赤城山麓のレストランで。 ∴ 井戸とは? 六つ窓があり、声を掛…

外干し

また土を替えて井戸を弾いた。今日は外干し日和。 それにしてもまだ「水濶(ひろ)く山遥かにして路更に深し」である。 ∴ さわやかな気候を楽しむ 長雨のあとはことさらだ いつもおつき合い下さりありがとうございます。応援よろしくm(_ _)m 画像をクリック…

秋だなあ

朝顔は最盛期を過ぎ、代わって曼珠沙華が田んぼの畦をお立ち台のようにして咲き誇っている。 さて、重い腰を上げて井戸の作りに入ろうか・・・ ∴ 最近、居間の窓ぎりぎりのところで(10cmくらい)蜘蛛が巣を張って獲物を待っている。今、朝7時。せっせと巣の張…

大井戸その2

施釉法を変えてみた。 ちょっとだけ味が深くなったか・・・ 見込の施釉法は工夫の余地あり。 これは愛称「高井戸土」の大井戸。口径155mm 丈94mm 重さ448g 井戸。もうひとつ別な施釉法を試してみたが、こちらはそれが徒となり胴の釉がちぢれすぎてあえなく失敗…

大井戸に挑む

今回から大井戸に挑戦。試した3種類の土のうちひとついい感じのがあった。茶盌はちょっと重めだったのが今後の反省材料。 口径155-158mm 丈95mm 重さ457g 施釉方法をちょっと工夫してみたがどうだろうか?下のはこれまで通りの施釉方法で掛けたもの。口径155…

井戸小碗

昨日の窯出しからその1 やや鉄分の多い土 その2 鉄分はないが、粗い土に美濃の赤土を合わせたもの その3 上に同じものに山房の土を合わせたもの 大道土の化粧は失敗。少し濃すぎたようだ。また挑戦してみよう。それにしても静かな音楽が聞こえる茶盌作り…

今日の窯出しから

少し釉と焼成が安定してきた。あとは土合わせの吟味だが、これはQEDに至ることはないだろう。 地元大久保と美濃の土を合わせた井戸盃 そして、井戸小碗 見込に改善の余地あり 全体の課題は見れば分るとおり井戸の声が聞こえない。これは長くなりそうだ……。 …

井戸釉窯出し

前回うまく行ったのでほぼ同じ条件で焼成。 井戸盃 土は新しく合わせたうちのひとつだが、よい感じだ。 六地蔵写し 土は古い合わせ土。梅花皮の様子を試験してみた。 比較的おだやかな表情だ。 さて、つぎは新しい土の小井戸が乾いてきたので焼いてみよう。 …

∴ん窯井戸に向けて

秋の課題は井戸茶盌。出来ても出来なくてもとにかく挑戦してみよう。賽は投げられた! まづは合わせ用の土作りから。 この塊は色の違いはあるもののすべて同じ地層から採取したもの。何を隠そう∴ん窯を建てる際、ゆんぼで掘っているとき現れた粘土層を取って…