2006-01-01から1年間の記事一覧

育てる権力、殺す権力

あまりに憤りを感じたので普通のことばで語れなくなってしまった私を赦して下さい。 - 大集会室を使ってはいかんからね。事務局の動きはなかなか早い。私が大学を去るよりも前に劇団の稽古場が奪われそうだ。我が大学もとんでもない時代になったものだ。なん…

一足早い卒論執筆合宿

例年10月末に行われる卒論執筆合宿が今年は私が9月いっぱいで辞める関係で、9月中旬に行われた。何故か行きと帰りだけ晴・曇であとの合宿期間中はすべて雨・雨・雨で、まさに論文を書くのに絶好の天気に恵まれたのであった。 そのお陰で参加者一同多大な成果…

苦手なもの

整理整頓、これが一番苦手だ。人間がだらしないから何でもやりっ放し、置きっぱなしだ。今、そのツケが回ってきた。今月いっぱいで立ち退くことになった研究室の片付けを始めた。まあ、コツコツやるしかないか。部屋の能面たちが苦笑いしている。

トマト三昧

最近我家の食卓はトマトにあふれている。下の写真は今朝の豪華な?朝食。食パンにバター、チーズ、香薫のウインナを乗せ、ベランダからイタリアンパセリとバジルをむしってきてその上にぱらりと散らし、気持厚切りのトマトをかぶせる。あとは胡椒を振ってチ…

述語の戦い

ひさしぶりに死の不安を覚えた。風呂に入っているときだ。温かい湯につかりつかの間の安息を感じていたその時、こういうことを感じること、そのことが永遠になくなるのが死だと思った。もし一年のいのちを宣告されたら、どんな思いでこの湯につかるのだろう…

還暦のお祝い

卒論ゼミ生から甚平、キャップ、赤いチャンチャンコならぬ赤いパンツを頂戴した。うれしいものだ。だが、これで陶芸というわけにはいくまい。今の腕前だとあっという間に泥だらけになることは眼に見えている。もう少し上手になっててから陶芸には使おう。上…

昨日、還暦

あまり実感がないからわざわざ書かなくてもいいのだが、伝統への礼儀かと思い御挨拶を。おそらく数え切れない数の先輩がたも実感はなかったのかも知れない。いや、そんなことを感じるのは高い平均余命のなせる業か?無常を日常として生きていた(小林秀雄の…

七転八起

昨日、新しい器が焼けた。釉(うわぐすり)の狙いは九割方外れ、無惨な結果だった。それでも二点ほどいいものが焼けた。それでよしとしよう。そのうちの一点(ぐい呑み)を我が敬愛するナガヌマ先生に進呈した。見てひと言「渋い」。果たして気に入ってくれ…

高速道路のイモ

どうして高速道路にはかくも大量のイモが転がっているのだろうか?といっても何の話か分るわけがない。イモ、とは私が勝手に付けた蔑称で、高速道路の追い越し車線で、どけどけとばかり、ぎりぎりまで車間を詰め、蹴散らすように走る人間の格好をした物体を…

やっとエタノール

今日の新聞によれば、ようやく来年の夏からバイオエタノールを混合したガソリンの販売に踏み切るようだ。といっても首都圏を中心にした試験販売らしく、本格的な販売は平成22年というから4年後ということになる。気になるのはこの企画の中心となるのが石油連…

ん窯だより

今の状況を記録しておくのも面白いかと思いHPを作りました。題は「ん窯〜洗面所工房だより」。是非ご覧下さい。URLはhttp://www.geocities.jp/todok_tosen/omega/intro/omega.htmlです。

作って、削って……

今はひたすら作る、削るの日々だ。手びねりもあれば手ロクロも使うこともある。どっちにもよさがあるから片方だけというわけには行かない。最近目覚めたのは30cm手ロクロの味だ。大きくて重いのでよく回る。それまで軽いロクロしか使っていなかったので作り…

著作権使用料に異議あり

先日の「初夏栄村奇譚」で「シャボン玉ホリデー」をアカペラで使用した。たったそれだけで2700円取られた。その基準たるやかなり曖昧らしい。今回は勉強の意味もあったので著作権協会の言うがまま使用料を払ったのだが、どうやらこの団体はかなりの食わせ物…

のんきな日本

ガソリンが高騰すると砂糖が値上がりする……風が吹けば桶屋が儲かる式のなぞなぞの答は、砂糖黍の世界一の産出国ブラジルではガソリンの代替燃料のアルコール(エタノール)を作るために砂糖黍が使われるため、砂糖に原料が廻せなくなるからだ。アメリカでは…

とんじるしラーメンを食す

店の作りは今風の「こだわりラーメン店」という感じ。中に入る。メニューを持ってきたり水を運んでくれた二人の店員に元気がないのが気になる。取りあえず水を飲む。むむ、普通の水道水だ。ちょっと期待感がしぼむ。だが気を取り直して支那そば醤油味と炒飯…

アルコールガンバレ

しかし、それにしても高すぎるよ、ガソリン。10月から無給となる身にはちと辛いハイオクの仰天価格だ。しかも8月からはさらに大幅値上げらしい。一刻も早いアルコール燃料への移行を臨む。自動車メーカーと石油会社のベンチャー企業つぶしにあって煮え湯を飲…

いよいよ新車投入

Super Aguriが3年落ちのシャシーから脱してやっと普通のF1マシーンを手にすることになる。今までも実によくやったが、それ以上の走りを期待したい。まずは最下位脱出。抜けMidland、Toro Rosso!

動く美の衰退?

若い女性のファッションは実に美しい。ただ、立ち止まっているときのみ。ひとたび歩き始めるや否や、美は一瞬に滅ぶ。昨日も階段をおりる時のけたたましいヒールの音がホールに轟ろいていた。所作は若者の美の範疇にはないらしい。歩行の所作、座臥の所作、…

Discordia concors

昨日をもって私の今生での知的活動はすべて終結したはずだったが、面白いことに、そんな昨夜こんな夢をみた。しきりに英語で書かれた文献を読みあさっている。近くには助手がいる。私が探し当てた内容の頁を助手が整理し、それを金庫のような入れ物にしまい…

さらばVIゼミ

今日がVIゼミ最後のゼミとなった。超人的な課題の山をものともせずに頑張り抜いた歴代のゼミ生諸君を讃えたい。 OGたちも駆けつけてくれ、にぎやかなゼミになった。写真はゼミのあと食事会をした時のもの。それから、この写真を撮ろうとしているときのある「…

もうひとつの最後の舞台

20数年間、大学でシェイクスピアを朗読、上演して(させて)来たが、来週木曜が最後の舞台となる。授業時間だけでは間に合わないので今日と明日は12時間づつ、計24時間の長丁場の稽古だ。芝居はいつだってこういう長丁場を耐えて初めて芝居になってゆくのだ…

さらばハレの舞台

ハレの舞台ということばがある。ハレとケ(ハレ、ケ、ケガレの循環的浄化・更新説)はつとに有名だが、まだこの論争は一定の結論には至っていないらしい。文化人類学の細かい議論はさておき、舞台はハレと仲がいい。ハレの舞台とは言うが、ケの舞台とは決し…

有鄰館に入る

酒蔵へ行った 土間では湿り気がとぐろを巻いてゐる 外は雨 ヤマグチさんがたばこをふかす お宮は今日も上機嫌だ 「本番には行くからね!」 所作台に坐った ほこりまみれの板が黒光りしてゐる 外は宴会 カラオケが臭い ひんやりした床がおしゃべりする 「ホン…

反復のパラドックス

舞台の空気には独特の色がある。分るひとにはそれが見える。また、作品には作品の色がある。こういう色は役者の意識や知覚から絶えずすり抜けて行くものだ。だが、色がない舞台は駄作であり、失敗作であり、舞台に載せる資格を持たない。だから、役者は色を…

淡々と

連日稽古が始まったので、舞台の空気は日に日に醸しだされて行く。それにしても「初夏栄村奇譚」は短い芝居だ。今日の通しでは53分だった。やや急ぎすぎの嫌いがあるので本番までにはもう少し緩やかな運びにしたいが大筋は変ることはない。ただ、役者によれ…

ものを作る悦楽

どんなものにせよ、作ることは愉しい。いや、愉しいなどということばでは到底埋め尽くせない感情の襞の一枚一枚が悦びを歌う。舞台を作ること、茶碗を作ること、作るものは違っても悦楽はおなじだ。ただこの悦楽は青山運歩の風光にある。山が歩く姿があなた…

もの作りへの道〜大学から尼寺へ

大学でシェイクスピアや英詩を教える傍ら、学生たちや社会で働く人たちと舞台を作る試みをしているうちにいつしか26年経った。だが、残念ながら我が大学はもの作りにはほとんど関心を示さぬひとの集団であった。まあこれは日本の大学では普通のことだからあ…

かゆみの襲来

また恒例の暑さ⇒汗⇒かゆみという循環が始まった。これを何アレルギーというのかは知らないが、考えてみるともう5,6年前から(いや、もっと前か?)年中行事になっている。今年は花粉アレルギーがだいたい終熄したかな、と安心するかしないうちに汗アレル…

追い込み

「初夏栄村奇譚」、本番まで残す稽古はあと12回を切った。今日は衣裳を着ての稽古をした。衣裳は世界の色を引き立ててくれる。役者の色、囃子方の色、運歩方の色……もちろんそういう特定の色があるわけではないが、舞台上の空気が「色めき立つ」ことは確かだ…

時節の窯変

あらゆるものにはそれぞれの時期がある。生まれ、育ち、熟し、そして、遂には、衰えて行く。そういう時の継承は宿命として受入れられて来た。だが、楽しみの時節は実にきまぐれだ。そのきまぐれさ加減は丁度、よくできた器の左右非対称のように、予期や期待…