2006-01-01から1年間の記事一覧

飛行訓練

今は飛ぶ前にしゃがみ込んでいるときだ。それにしても芝居という「時」の化身は、この世の時間の中で具現しようとするとなかなか入口が見つからないものだ。台本という観念世界のなかでは自由奔放にはしゃいでいた「時」が、いざ私たちの時の舞台へと移そう…

流れるものと留まるもの

音楽が流れる、噂が流れる、時が流れる、情報が流れる、灰釉が流れる……こころに留まる、目に留まる、記憶に留まる……靖国神社問題。かつての首相が参拝した時、中国は何の異も唱えなかった。時が流れ、今では……。

清涼飲料水の味

長いあいだ忘れていたが、私が子供のころ夏の飲み物は買うものではなく親が作るものだった。だから名前は知らないが、微かな炭酸(重曹?)の味とほのかな甘みと香りが記憶に残っている。どうやって作るのか皆目見当がつかない。webで調べようとしたが見当違…

種、飛翔の風を待つ

笠間焼陶炎祭(ひまつり)

腰痛再発のため長い旅は無理なので、茨城県笠間へ行って来た。ここは笠間焼の町だ。芸術の森公園には工芸の丘があり、いろいろな作家の展示即売をやっているし、受付で申込むと陶芸体験もできる。祭では200店以上の窯元が会場にそれぞれの店を広げている。全…

ぐぐ、ぐぎゅッ

またしてもぎっくり腰だ。厳密には凝り固まり性腰痛。一日中安楽椅子に坐りっぱなしでほとんど動かず本を読んだりパソコン打ったりしていたのが効いた。ずしーんと効いた。歩くのもやっとという為体だ。どうもこの季節は腰痛の季節らしい。一昨年もぎっくり…

にわか雨

正午直前、一天にわかに掻き曇ったかと思うと、突然の驟雨が襲ってきた。遠雷が鳴る。洗濯物を取込む。雷は早足でやって来て、ホンのつかの間地上界を睥睨して去っていった。これが深夜なら Brief as the lightning in the collied night That, in a spleen,…

花を満喫

今年は桜を堪能できた。去年は花を楽しんだ記憶がない。打って変わって今年は花を愛でること数度……つぼみを楽しみ、五分咲を楽しみ、満開を楽しみ、散る花を楽しみ、葉桜を楽しむ。ただ、美しさに酔いしれたのは一度だけだった。やはり桜は晴天の下が一番美…

突然の僥倖

「初夏栄村奇譚」の台本が完成した!奇跡のようだ。ついさっきの出来事だ。午前中はどうも理に落ちた構成に嫌気がさしてにっちもさっちも行かなくなっていたので、台本を接ごとに細分して印刷し、大学のグランドで風に向って投げた。ちょうどよい風が吹いて…

芝居をする理由

どうも胃の調子が低いせいか考えることも低調だ。上毛新聞で冬泉響を取り上げてくれるそうだ。記者がインタビューに来たのだが、どうして芝居をするのか、と訊かれて困ってしまった。理由なんかないんだな。芝居をしたいからしているだけなのに、それじゃ記…

足らないもの

どうやら、それは空気だったようだ。筋はいつもあってもないようなものだから、空気の密度の締めどころをきちんとしておかないとだらだらした芝居になってしまう。現に今そうなりかけている。空気の感触……胃の具合は少し恢復。これを機会にじっくり治そうか…

台本の雨が降る

台本ただいま8700字。だいたい目標の文字数に達した。達しはしたのだが不満がある。いや、厳密には満足感がない。もう少し悩んでみるか……。

桜は散るが、桜はつぼみ

玉村の桜は散り始めた。いちばんの花期に雨が降ったがそれも桜の哀しさでよいものだ。だが、妙義ふもとのさくらの里ではまだ咲き始め、沼田ではまだつぼみ、と言う。まだ楽しめるということだ。台本はというと、散ったようなつぼみのままのような微妙な咲き…

港の見える丘

横浜へ行って来た。雨の元町を歩いた。港の見える丘公園への長い登り坂を登った。桜はもうすっかり散っていた。群馬を出るときは寒いくらいだったので冬物を着ていったら、歩いているうちに汗だくになった。この差は何だろう。水上ではつい最近また雪が降っ…

もしかして桜花粉症?

一昨日までは、おっ、今年はあの苦しみなしで夏を迎えられるか?などと希望的観測があたまのなかの大部分を占めていたが、まず昨日、目の痒みがやってきた。そして、今日、あのくしゃみ連発症候群が始まった。花粉症満開である。そして考える、何が発症の引…

台本、後退

行き詰まってしまった。しばしretreatだ。撤退だ。休養だ。稽古場にまるで家に帰るようにやって来る団員と共にでなければいい台本も芝居も出来ない、とつくづく思う。芝居は実に特権的、かつ、排他的、求心的だ。しかし、慢心がうまれたら死に体になる。声の…

台本、微前進

「初夏栄村奇譚」の台本、やや進む。少し頭が台本モードになってきた。いい傾向だ。このままの調子を維持するようにご機嫌伺いをしていよう。だが、気を抜くと古い台本の蒸し返しになってしまう。新奇なもの、新奇なものと考えるが……果たしてどうか?まだま…

空っぽ

頭の中がみごとに空だ。透明といえば透明でもある。窓のそとを見る。窓の外の景色が見える。ただそれだけだ。焼香を焚く。焼香の香りが部屋に立ちこめる。ただそれだけだ。たいがいはちょっとしたことが台本のモチーフに化けたりするのだが、その「ちょっと…

初夏にしたものの

夏芝居の外題を「初夏栄村奇譚」としたものの、初夏とは五月はじめから六月はじめまでを言うのだから、公演初日の七月七日時点ではもう初夏ではない。はじめは「梅雨明け〜」という題を考えていたのだが、評判がよくないので急遽「初夏〜」に替えてしまった…

グローバリズム?

コスモポリタニズム、インターナショナリズム、そして、今はグローバリズム……時を移しながら、そして、その時々の状況を反映しながら、「目先の利いた」文化人がこういう呪文を何度も唱えてきた。勘三郎もそういう波に乗り遅れまいと(失礼ながら、そういう…

コクーン歌舞伎「東海道四谷怪談」

勘三郎のコクーン歌舞伎「東海道四谷怪談」(南版)を観てきた。結論を言ってしまえば、抑制の美学を忘れた歌舞伎はもはや日本の芸ではない、ということだ。ニューヨークの、日本文化も芸能も何も理解しないアメリカ人向けの歌舞伎ショーを観た、という言い方…

鮎川哲也「王を探せ」読了。

この手のトリックものはメモを取りながら作者に付き合わなければ楽しめない、と知った。私は物ぐさだからメモなどは取らないので当然のことながら楽しめなかった。しかし、である。無い物ねだりを承知でひと言もの申したい。この作品は微細な観念の操作に終…

男子フィギュアスケート

織田君はいいね。ジャンプに失敗して、別なジャンプで点を取りに行ったもののジャンプの数が規定より多すぎたためメダルを取り損ねてしまった。試合後のコメントがよかった。失敗を意に介しない。失敗した自分を自分でからかっている。たぶん彼には《失敗》…

偽メール問題

推理小説の常識から考えればあまり複雑な問題ではない。つまり、誰が得をしたのか?偽のメールをでっち上げて利益を得たのは誰か?それを考えれば、証拠はあげられないが、少なくとも犯人はわかる……のだが、現実は小説より奇なりと言うしなあ。

あれから6年

スキー場で暴走スキーヤーにぶつけられて両膝靱帯損傷の憂き目に遇ったのが2000年2月6日(詳しくはここと、ここをご覧下さい)。今年で6年になる。もちろん両膝は完治しないままだが、それでもスキーは出来る。コブ斜面を除けばどんな斜面も自由に滑れる。う…

台本へ〜まずはタイトルから

夏の芝居、外題は「初夏栄村奇譚」(はつなつさかえむらきたん)に決定。しょか、ではなく、はつなつ、と読むのがみそ。ただし、内容とは今のところナンの関係もない。しかし、これで可能性が360度から180度くらいに限定されてきたので、イメージの収束も容…

虚構世界の酸素

ファンヒーターを焚き続けていると軽い酸欠になる。頭痛が警告となる時もあれば、なんとなく息苦しい感じがして気付く時もある。ゆうべから『雪のネットワーク』を読んでいる。TV用のシナリオを千本以上も書いた作者にして初めて書けるTVドラマ制作の克明な…

台本へ〜言葉のシャワー

いまはとにかくぼやけた脳髄に言葉のシャワーを浴びせるしかない。といって読んでいるのはごくごくかるい読み物(推理小説)にすぎないのだが。それでも言葉という単なる記号が観念の内部に生々しい存在を喚起するありさまを実感させてくれる文章もあれば、…

台本へ〜夏の公演の日取りが決まる

夏芝居は7月7,8,9日に決定した。となると台本を書かねばならないのだが、今のところからだが台本モードになっていないので夏の芝居は漠として捉えがたい。魚津の蜃気楼の方がまだくっきりしている。少なくとも船とか煙突とかの姿は見定められるのだから。今…

闘病という隠喩〜河野知二

たまたま見たTV番組でこの人を知った。群馬県在住というのも親しみを感じた。この人は末期がんで余命一年を宣告されながら、オーストラリアで行われたラリーに夫婦で参加し、1345kmを走り抜いた。死の恐怖は如何ほどだろう。私だったら自棄になり、すべてを…